乳がん手術~温存術~放射線治療 入院手術費用と保険金
午後2時から手術室へ入り、5時には終わっていたと思います。
手術後に家族は説明室へ呼ばれて、摘出した乳腺を見ました。
癌は1センチ以下だったのに、かなり大きく取られていました。
画像にうつらない部分にも癌があるかもしれないので、取り残しがないように大きくとるみたいです。
術前の診断では非浸潤性乳管癌で転移はないだろうということでしたが、センチネルリンパ節生検、脇の下のリンパ節郭清を行い、2カ所リンパ節を取ったそうです。
手術後、病室に戻ると意識はありました。
なんとか話せる程度ですが、とてもキツそうで少しだけ様子を見て、すぐに帰りました。
翌日もぐったりしていました。
手術後なんで、当たり前なんですが。
尿のカテーテルを抜いて、歩き始めます。
痛みはそこまでひどくないそうなんですが、
点滴の薬のせいで吐き気と頭がボーッとして、起きているのもキツいみたいです。
術後2日目に点滴をやめると、吐き気もなくなり気分が大分良くなっていました。
起きてテレビを見られるようになりました。
1週間で退院となりました。
入院前に限度額適用認定申請をしておいたのと、手術と入院期間がひと月で収まったので、退院時に支払った金額は、食事とレンタルのパジャマを入れて9万円くらいでした。
退院1週間後に診察に行きました。
手術から1ヶ月後、傷がふさがっているのを確認してから放射線治療を開始しました。
乳腺外科の先生は非浸潤性乳管癌なので、放射線治療までは必要ないかもしれない、と言われました。
放射線科の先生は念のために放射線までしておいた方が良いのでは、とのことでした。
温存術のため、残っているかもしれない癌細胞を壊すためです。
月曜から金曜まで毎日通って放射線を当てました。
26回の照射で約5週間かかりました。
これも外来の限度額適用で約8万円×2カ月間で16万円くらいでした。
照射部位はカサカサしてくるので、皮膚に薬を塗ります。
毎日通院なので、仕事の調整が大変です。
家から病院も遠かったので、入院期間と放射線治療で2カ月以上仕事を休みました。
周りの人にもご迷惑をかけました。
検診を受ける直前に入った癌保険は、まだ保険料を支払う前に、癌と診断されてしまったため、保険金は出ませんでした。
さらに申告を書き直して、乳がん以外の癌しか保証されないことになりました。
入院保険は別で入っていたものがあったため、日額1万円×入院7日間+手術給付金が5万円くらいで、12万円くらい出ました。
仕事も休み、入院と外来の治療にお金がかかり、大変です。
しかし、検診を受けて、早期に見つかって本当に良かった。
なによりもそれが1番大事です。
精密検査~乳がんの診断
検診を受けてから約1週間後、紹介状を持って病院へ行きました。
マンモグラフィーとエコーの画像を先生が確認しました。
マンモグラフィーは石灰化が一部分に集まっていて、ギザギザしてるようで、それが悪性かもしれないそうで、
同じ部分をエコーで見ても、他の乳腺より黒くなっている部分に石灰化が集まっているのが分かりました。
しかし、もし悪性だったとしても早期だろうから、あまり心配しないでと言われました。
説明も丁寧でとても優しい先生でした。
その日造影MR検査を受け
1週間後、結果は「悪性所見なし」でした。
ちょっと安心しました。
しかし、マンモグラフィーではやはり怪しいので、1週間後に針生検をしました。
そのまた1週間後に針生検の結果を聞きました。
結果は「非浸潤性乳管癌」でした。
難しい名前ですが、癌でした。
半分はやっぱりかという気持ちでした。
非浸潤性乳管癌とは癌が乳管内にとどまっている状態で、外に飛び出していないものらしいです。
母はとてもショックを受けていました。
母の姉が乳がんの時、抗がん剤治療などとてもツラそうにしていたのを見ていたので、
これからどうしよう、と言っていました。
先生の話では、非浸潤性乳管癌はとても早期で、ステージは0。転移の可能性もほとんどなく生存率も高いとのことでした。
すぐに手術の日を決めました。
この時は癌は1センチ以下で、脇に近い部分だったので、温存術できますよと言われました。
癌が小さく、胸が残せるなら、もちろん癌の部分だけを摘出する乳房温存術しかないだろう思いました。
乳がんハイリスクなのだから、再発の可能性も考えるべきだったのか。
乳房温存術で残した胸に乳がんが再発した2年後の今、あの時全摘しておけば良かったのかな、なんてことを思ったり、しても無駄なんですが。
温存術は再発のリスクを下げるために、術後に放射線治療が必要です。
約5週間毎日通院して放射線を当てました。
全摘出であれば放射線治療は必要ありません。
その放射線治療を受けてしまうと、次に全摘手術をしたときに乳房再建術でインプラントができなくなってしまうんです。
このことは再発してから知ったので、はじめの乳がんの時にも知っておきたかったなと思う反面、知っていても逆に悩むだけだったかもしれません。
インプラントとは乳房全摘出後に生理食塩水を入れ
て徐々に膨らまし、皮膚をのばして、ちょうど良い大きさにし、胸を作る方法です。
放射線治療をすると皮膚が伸びなくなってしまうので、この方法での乳房再建術ができなくなるそうです。
もしもあの時こうしていたらってことをたくさん考えてしまうんですが、もうどんなに考えても戻ることはできないし、正解も分かりません。
乳がん検診 家族歴
私の母は50代半ばです。
母の姉と叔母が乳がんになったことがありました。
乳がんは遺伝性乳がんというものがあり、近い血縁者に乳がんの人がいると、かなり確率が上がるそうです。
そのうち検査には行こうと思ってはいたものの、今まで1度も乳がん検診を受けたことはありませんでした。
症状もないし、まさか自分がなるわけないと思っていたのでしょう。
私は母の検診の予約をとり、検査に連れて行きました。
検診の1週間くらい前に医療保険が切れる直前だったため、保険を見直し、新たにがん保険にも加入ししました。
検診はマンモグラフィーとエコー検査をしました。
検診後マンモグラフィーは痛かった、と言っていました。
本来なら、その施設では結果は2週間後に郵送でという話だったのですが、
検査後診察室に呼ばれ、先生から専門の病院で精密検査を受けるように言われ紹介状を渡されました。
まさか、と思いましたが、確かにリスクは高かったし、
でも触っても分からないし、
精密検査をしてみないと分からないという説明だったから、もしかしたら違うのかもしれない。
病院を受診するまでの数日間、不安で落ち着きませんでした。