乳がんの再発 乳房再建術をするべきか

母の乳がんが再発しました。検診、精密検査、摘出手術、放射線治療、乳房再建術、術後の痛み、ホルモン療法。

乳がん手術~全摘出手術と自家組織による乳房再建術

朝8時半に手術室へ入りました。


開始は9時の予定です。




手術開始から1時間半くらい経った10時半過ぎに説明室に呼ばれました。




乳腺の全摘出が終わりました、ということで、取った乳腺を見せてもらいました。



これから病理検査をするそうです。


病理結果は2~3週間後に出ます。



再建術のため胸の皮膚を残して、乳首と中の乳腺組織をくり抜くように取ったそうです。


乳首は乳腺を取ると血流がなくなるので、取らなければならないそうです。



今回胸の膨らみの再建術をした後に、また改めて乳首をつくる手術もできるそうです。

たぶんそこまではしないと思いますが。




リンパ節は今回取っていません。


癌のあるところから薬を入れて、どのリンパ節に流れているかを見て、転移の可能性のあるリンパ節を特定して取るらしいのですが、


以前1度乳がん手術をしているため、薬を入れても特定しにくいそうなのです。






乳腺の全摘出が終わり、そこからは形成外科の先生に変わって、再建術が始まりました。




術前の説明では手術時間は5時間くらいということだったので、17時くらいには終わるかなーと思って待っていました。





15時頃に順調にいっています、と連絡がありました。




それから終了予定の17時を過ぎても、連絡はなく、手術室の前にも誰もスタッフがおらず、聞くこともできませんでした。




結局手術が終わったのは20時半くらいでした。



手術時間は約11時間半です。


大手術でした。




手術が終わってからまた説明室に呼ばれました。



手術の内容を白板に書いて説明してくださいました。



胸の傷は乳首を切り取ったものと、前回の手術時の乳首から脇の方への1本線の傷をもう1度切って乳腺の全摘術をしたそうです。


そして背中から脂肪と筋肉を取るために大きめの傷が入って、背中から2本と胸から1本ドレーンが入っているということでした。



しばらく液が出るので、その液が出なくなるまでドレーンを入れておきます。





説明室を出て、手術室から出てくるのを30分くらい待ちました。



それから病室へ移動しました。




意識はありましたが、小さな声で少し話すのがやっとでした。



ずっと横になっていたからか、薬のせいなのか顔が浮腫んでいるようでした。




明日またくるね、と言ってその日は帰りました。

乳房再建手術は必要なのか

形成外科を受診し、胸の大きさや背中の脂肪のつきぐあいを見てもらい、写真を撮られました。



造影CTの結果からも背中からの自家組織で再建できるたろうということで、




なんとなく再建術の方向で進めていく感じになっていました。




前の病院で術前検査の肺機能や心電図や血液検査をやっていたのですが、また同じ検査をこの大きな病院でしました。





乳腺外科と形成外科の先生の予定を合わせ、手術の日が決まりました。



バタバタと日が過ぎ、



再建術をする選択で良かったのか、はっきり分からないまま手術の日を迎えました。




納得するまで考えてから、と思われるでしょうが、癌をどれくらいこのままにしておいて良いのか、不安もあります。



それに考えてもどちらが良いのか分からないのです。




以前まで保険適用ではなかったものが、今は保険適用になっているということは、必要としている人が多いからでしょうか。



私は仕事で乳がんの方に会うことがたまにあります。


全摘出していて大きな傷が残っている方にも会います。


でも再建術はまだ少ないのか、それともぱっと見気づかないのか、見たことがありません。



やはり乳がんの全摘で胸のない方を見ると、あ!とすぐ気づきます。


癌の取り残しがないように、しっかり取るので、平坦ではなく、少しえぐれたようになることもあります。




再建術をしなくても命にかかわることではないのですが、ないよりはあった方が良いのかもしれない。




摘出するときに、再建をするつもりならば、皮膚を残して乳腺組織を取ります。



再建をしないのであれば、皮膚が余らないように切除して縫い合わせます。



再建術は後日でもできるのですが、手術は2回に分けずに1回で終わった方が、少しでも楽かなぁと思って、



選択を焦っていたかもしれません。

乳房再建術をするべきか

大きな病院を紹介され、まずは乳腺外科を受診しました。



前の病院から持ってきた検査画像やデータを確認され、再建術の話を簡単に聞きました。



その後形成外科へ行き、もっと詳しい説明を聞きました。




乳房再建術には2つの方法があり、1つ目は自分の身体の組織(自家組織)を使って再建する方法。

これは背中やお腹、お尻などから脂肪や筋肉をとり、乳房に移植する方法です。



2つ目はシリコンインプラントを使って再建する方法です。


これはまず組織拡張器を大胸筋の下に入れて、生理食塩水を入れながら胸の皮膚と筋肉を伸ばして行きます。

半年くらいかけて皮膚が十分に伸びた後、インプラントを入れます。

この時、自家組織を入れることもできます。




再建術は乳がん手術と一緒に行うこともできるし、乳がん手術が終わった後で期間をおいてから行うこともできます。




自家組織のメリットとしては、自分の組織を使っているので、術後のメンテナンスがいらないこと、柔らかく温かい自然な胸であることです。

デメリットは手術時間が長く健康な部分にまで傷を作ること。

あとはお腹やお尻から組織を持ってきた場合は、残ったもう片方が乳がんになった場合に、次はどこから組織を持ってくるか考えなくてはいけません。

背中からの場合は左右から持ってくることができます。



全摘出だけであれば1週間で退院できるが、再建術をすれば入院期間が2~3週間になります。



手術時間は5~10時間ぐらい長くなります。






インプラントのメリットは他の部位に傷を作らなくても良いことです。

しかし術後に拡張器を入れ、半年後にインプラントを入れる手術がもう一度必要です。
さらに年齢とともに胸の形が変わったりすることで左右のバランスを揃える手術や、破損の可能性もあり10~20年で入れ替えの必要もあるそうです。










母の場合は前の乳がん手術の後で、放射線治療をしていたため、皮膚が伸びないのでインプラントの選択はできないと言われました。





それは温存術のとき、放射線治療のときも聞いていませんでした。


乳がん再発の可能性も視野に入れて、教えてもらいたかったと思いましたが、それでも何も変わっていなかったかもしれません。







自家組織での再建術にはお腹、お尻、背中のいずれかから、脂肪や筋肉を移植する方法があります。


これは元の胸の大きさやお腹やお尻の脂肪のつき方で、選択できない個所もあります。



お腹やお尻から組織を持ってくる場合は、取った組織と胸にある血管をつなぎ合わせることが必要で、そうしなければ、組織が死んでしまうそうです。


なので手術時間は10時間を越えます。



背中からの場合は血管をつなげたまま、脇の下の皮下にトンネルを作って脂肪と筋肉をくぐらせて胸に持ってくるので、お腹やお尻よりは手術時間が短く、5~6時間だそうです。





これに乳房摘出の手術時間が1~2時間プラスです。





放射線治療の時に脇の血管にも放射線が当たっているので、造影CTをして血管が使えるかを確認しないと、もしかしたら背中からの手術はできないかもしれないとのことでした。





お腹やお尻から組織を取った場合は3日間くらいは絶対安静で動いてはいけないが、背中からの場合は翌日から歩けるということでした。







話を聞いても、どうしたら良いか分からず、全摘出だけで良いのか、乳房再建術までした方がいいのか。




先生はあなたの残りの人生に乳房があった方が良いのか、それともなくても良いのかで考えてくださいと言われました。





母の姉に相談してみました。


姉が乳がんになったのは30代前半です。
その時はまだ再建術が保険適用ではなかったので、全摘出しています。

その時再建術が選べれば、そうしていたかもしれない、と言いました。




人それぞれ考えが違うのですが、年齢的なものでも違ってくるのかもしれません。



もし自分なら30代、40代であれば再建するかもしれないし、60代、70代であれば摘出だけで良いかもしれないと思うかもしれない。




母は50代半ば。どちらがいいのか。


考えても分からないと言っていました。





私は取りあえず脇の血管が使えるかの造影CTまでやってみたら?と言いました。



再建術をするにしても、お尻やお腹から自家組織を持ってくるのではリスクが高すぎるし、背中からの手術なら次の日には歩けると言っていたので、その再建術なら考えても良いのでは?と言いました。


後日造影CTを受けることにしました。





これで脇の下の血管が使えないから、背中からは無理ですよと言われれば、もう全摘出だけで再建はしなくていいかなと思えるし。




もし背中からでも手術ができるとなれば、再建術でも良いかもしれないという考えになりました。

乳がん手術直前 乳房再建術?

手術1週間前。


手術の説明をするので、家族の方と来て下さいと言われ、私と母は病院へ行きました。



乳房全摘出の説明を受け、では来週と言うときに、先生が思い出したように


「乳房再建もできますが、どうしますか?」と聞いてきました。



え?という感じでした。


再建術とはなんとなく聞いたことがあったのですが、最初に全摘出の話しか聞いていなかったので、


もう胸はなくなるつもりでした。



しかし、今は保険適用で乳房再建術ができるんですよ、どうしますか?と突然聞かれ、混乱しました。


急に言われてもどうしたら良いのか分かりません。




手術はもう来週なのに。




もし乳房再建術をするのなら、今の病院ではできないので、もっと大きな病院へ紹介になるのです。




急に言われても決められないので、手術を延期にして1度大きな病院へ再建術の話を聞きに行くことにしました。



先生が連絡を取ってくれると、明日お話できますよということで、予約を取ってもらいました。

2年目の定期検査で乳がん再発

2年前の乳がんの手術後、定期検査は1年に1回することになっていました。


1年前のマンモグラフィーと胸部CTの検査では異常なし。



術後2年目の今回もマンモグラフィーと胸部CT検査を受けました。




するとマンモグラフィーでまた手術した方の胸に、石灰化が集簇してる部分がありました。



エコー検査も追加になり、画像には乳首の下に石灰化らしきものがうつっていました。



マンモグラフィーは前の乳がんと良く似た画像でした。



先生から再発した可能性がありますと言われました。





母は最初の癌の時よりショックを受けていました。




まさか2年でまた乳がんになるなんて。




2週間後に針生検をしました。






後日、検査結果は前回と同じ「非浸潤性乳管癌」でした。



先生の話では、再発といっても前の癌が残っていたワケではなく、新たに発生した癌だろうということでした。



放射線治療までしていたのに。


生活習慣が悪かったのでしょうか?と聞きましたが、


それはありません、と言われました。



今回ちゃんと定期検査を受けていたから、また早期で見つけることができたんですよ、と言われました。




もしかしたらホルモン療法までやっていれば、今回の癌は防げたかもしれないと言われましたが、今更そんなことを言われてもどうしようもないのです。




今回も癌の大きさは1センチ以下だろうけど、再発なのでもう乳房温存術はできず、全摘出になるそうです。




再発の場合はステージもつきませんが、ステージ0だろうということでした。




血液検査や、心臓検査、肺機能検査などの術前検査を行い、転移がないかPET検査もしました。



検査費用は全部で3万円くらいでした。



術前検査の結果は異常なく、PETでも転移は見つかりませんでした。




手術はそれから2週間後になりました。



部分摘出でも全摘出でも、回復や痛みは同じくらいで、1週間くらいで退院できるそうです。

癌の病理結果と術後の定期検査

退院から1週間後に手術でとった癌の病理結果が出ました。


術前に言われていたのと同じ「非浸潤性乳管癌」で、他に転移はないとのことでした。


リンパ節の結果も問題なしでした。



病理結果では、癌は本当に点のような小さなものが7カ所くらいあり、全体で7ミリくらいだったそうです。






放射線治療が終わった後は、半年後に定期検査に行きました。



その後は術後1年後にマンモグラフィーと胸部CT検査でした。


結果は特に異常なしで、次はまた1年後に定期検査となりました。